私は10代のころにお腹の難病が発覚し、それ以降は何かと気を付けながら生活することを余儀なくされています。
当時はまだ手軽にインターネットにアクセスできる時代ではなかったので、同じ難病を持っている人を探すのにとても苦労しました。
そんな私が自分と同じように難病と戦っている人たちを見つけ、話が聞けたことは、人生設計において大いに役立ちました。
専門雑誌で情報を取得
私が自分と同じ境遇の仲間を見つけるきっかけになったのは専門雑誌です。
この雑誌にはとてもお世話になりました。
私が患っているこの難病は基本的に治らないものなので、どれだけ折り合いをつけて生活するかを自分で決める必要があるのですが、この雑誌には色々な情報や体験談が載っており、インターネットが気軽に使えなかったこの時代には、とても役立ちました。
専門雑誌で目にしたさまざまな体験談の中でも、特に年齢が近い人のものはとても参考になりました。
日常生活の工夫、トイレの探し方、食事メニュー、仕事との付き合いなど、そこで得た情報と知識は今でも役に立っています。
こういった本の中における患者さんとの出会いはそれだけで救われた気分になりましたが、もっと色々なことを知り、話を聞きたいなと思いました。
もっと生の声を聴きたい、話したい
そう考えた私は、専門雑誌に載っていた患者会が気になり調べてみることにしました。
患者会はこの時代ではまだまだ小さなものが多かったのですが、それでも色々な地方にあるので、みんな頑張っているんだなと思いました。
そして自分が住んでいるところにも患者会があることを知って、早速連絡を取ってみました。
この頃になるとインターネットの普及によってホームページが見られるようになり、メールで連絡も取れるようになっていましたので、患者会の集まりに出てみようと思いました。
実際に行ってみた患者会で、本当に色々な年代の人がこの難病で悩んでいるんだなと思いました。
話を聞いてみると苦労する点は共感することが多く、日々の生活との折り合いや生き抜くためのコツやアドバイスは、自分にとって想いもしなかった斬新なものも多くありました。
経験者の体験談を自分に活かす
この難病は60代あたりまで続くということでライフステージを計画する上でも大変なものとなってきます。
しかし、そこで出会った患者さんたちは、仕事や結婚を上手にやっている人も多く、自分もこういった生き方が可能かもしれないという希望をもらいました。
この患者会に参加したことで具体的なアドバイスや体験談を聞けました。
それによって日常生活の折り合いをつける方法や、ライフステージで生き抜くための手段を学びました。
まだまだ難病に対する理解は深まっていませんが、それでも自分は頑張って前進していくしかないと思っています。
難病に罹った当初は自分だけが不幸だと思っていましたが、普通の幸せという同じ夢を持ちながら戦っている患者さんが多いことに気づけたのは本当に救いになりました。
私のように難病を患っているということではなくても、同じ経験を持つ人の体験談が役に立つということは往々にしてあると思います。
夢や目標を持った時には、そういった先人の経験をまずは聞いてみるようにするといいと思いました。