私には娘がいます。
娘の夢は、「人並みに運動ができるようになること」です。
小学校で行なわれた全学年合同の500M走で、娘は下から3番目の成績でした。
「ふうふうと苦しい呼吸をしながら走っている内に、低学年の子に次から次へと抜かされてしまって、悲しかった。運動ができるようになりたい。」と涙ながらに語った娘の姿を今も忘れることはできません。
テニス部への入部
彼女の転機は、中学校への入学でした。
部活動を選んでいるときに、当時のテニス部顧問であり、担任の先生から「テニス、やってみないか?頑張り次第で運動なんてきっとできるようになる。」と声掛けがあったそうです。
始めは「運動なんてできない」、と自信のなかった彼女でしたが、先生との会話を続けていくなかで、「運動ができるようになりたい。自分を変えたい!」という思いが強くなり、ついにテニス部入部を決めました。
テニス部での練習は大変なものでした。
走り込み、ボール拾い、ラケットの素振り、実試合、どれも過酷なものばかりで、すべての動作が部員の中で一番遅かったと聞いています。
挫折しかけたことも度々ありましたが、家族で励まし、応援しました。
娘は夢を、諦めませんでした。
練習方法の方向転換から…
全ての練習に全力で向かっていた娘でしたが、途中、まずは体力向上に絞ろうということで練習の方向転換をし、走り込みに力を入れました。
走り込みは帰宅してからも行われ、家の周りをぐるぐるといつまでも走っていました。
次にラケットフォーム(ラケットを振る姿勢)の見直しを毎日しました。
これは、朝早くから練習があるときも、一番に到着し、自主練習をしていました。
一年が経ち、ある休日に一緒に練習に行ったとき、その上達ぶりに私は驚きました。
走っても少しも息の上がらない姿、俊敏な動き、ラケットのテクニック、贔屓目なしに見ても素晴らしい選手になっていました。
そして最終学年の3年生になった時、なんと公式試合の選手として選ばれ、個人戦で県大会出場を決めたのです。
もう、小さい頃の泣いている娘はそこにはいませんでした。
諦めない心
運動ができなかった娘が、テニスで県大会出場を決めました。
夢を叶えることができたのは、娘のひたむきな”諦めない心”でした。
娘の姿から、私も沢山のことを学びました。
つらい時こそ、“諦めない心”で自分の力を信じきることが大切だと強く思います。
今は高校に進学し、高校でもテニス部を続けています。
これからも困難にぶつかるときが多くあると思いますが、今回の成功体験と“諦めない心”を忘れずに、立ち向かって欲しいと思います。