私は新卒で5年間働いた会社を辞めた経験があります。
この仕事を離れたときは、決して「次を見すえてワクワクして」という辞め方ではありませんでした。
しかし、このインターバルを置いたからこそ、「次」を見つめることができました。
今回は、夢が見えなくなったときに「ちょっとインターバルを置くことで次の道が見えやすくなる」というお話をします。
激務続きで疲弊した日々
冒頭でも触れているように、私は新卒で入った会社で5年勤めた後、退職しました。
会社自体は好きでしたが、通勤に往復2時間ほどかかっていたことと、何よりも激務が続いたため、だんだんと私は気持ちの上で余裕を失っていきました。
朝7時に家を出て、帰宅は23時。
心の疲労は少しずつ溜まっていっていました。
最後は気持ちの余裕がない生活が嫌になってしまい、退職を選びました。
退職後、2週間のインターバル
退職後、転職先を決める前にしばらく何もせずに過ごす時間を持ちました。
多忙すぎる毎日で次のことを考える余裕もなかったので、とりあえずは心身の回復をはかったのです。
2週間くらい休んでいると、心身の状態は少しずつ回復してきました。
ただ、気持ちに余裕が出てくると、次に「この先どうしよう」という思いがわいてきました。
ただ、このころの私は転職活動をすぐに始める気になれなかったので、社会人向けの専門学校に入学し、学生という身分を手に入れることで「何ものでもない自分」をごまかす日々を送っていました。
私が入学したのは1年半のコースで、私にはこの時点で1年半の「モラトリアム」な期間ができたのです。
1年半の時間をどう生かしたか
社会の中での次の一歩を踏み出す前に「1年半」という時間ができた私は、この期間を次への礎にしようと決めました。
次の転職活動にも有利になればいいという思いもでき、社会保険労務士という資格を目指そうと目標を持ちました。
ちなみに社会労務士の合格率を調べたところ、弁護士や公認会計士と比べるとそこまで難関ではないようでしたが、行政書士と同じくらい位の難関度で、私が目指したころは合格率もおおむね10%未満ということがわかりました。
勉強時間に関してはおよそ1000時間くらいが一つの目安のようでした。
これを均すと、1年半では1日3時間勉強すればなんとか合格できるのではないか、という試算になりました。
しかし、私の中には「やるからには合格しないと費やした時間がもったいない」という思いがありましたので、何としてでも一発合格をしよう!と強い決意ができたのでした。
独学で始めた社会労務士の勉強
すでに社会人向けの専門学校に通っていた私は、社会労務士の資格をとるために予備校に通うことは、学費の面でも厳しかったため、独学での勉強を始めました。
インターネットでおすすめの参考書を調べ、購入。本当に何も知らないところからのスタートでした。
勉強時間も「1日3時間」は一気にできるほど集中力がもちませんし、やる気が出ない日もありました。
さらに昼間は専門学校に通っていたので、こうした日々の中で平均的に3時間の勉強時間を捻出するのは思った以上につらい日々でした。
しかし途中でやめると「費やした時間と労力が一気に無駄になる」というのが怖いのもあり、隙間時間も最大限に利用してコツコツと勉強を進めました。
勉強を進める途中では、何度も壁にぶち当たることもあり、不安な気持ちにさいなまれることも1度や2度ではありませんでしたが、試験までに何とか目標の1000時間の勉強をクリアできました。
ここまで頑張ったなら、「人事を尽くして天命を待つ」という心境でもしも落ちたら、それはそれで仕方ないと思えるところまで努力できているという気持ちが持てました。
努力は実を結んだか?
社会労務士の試験終了後、会場の外では試験の模範解答のようなものが配られていました。
それをもらい、自分の回答と照らし合わせると迷った末に選んだ選択肢が正解だったりとうれしい部分もあり、自己採点では合格圏内にいるだろうと確信が持てました。
この時は本当に今までの勉強が実を結んだ、という気持ちと、自分に課してきた縛りから解放された気持ちで一杯になりました。
そしてその後、私は無事、社会労務士の試験に合格しました。
試験に合格できたことはもちろんうれしかったのですが、何よりも自分の積み重ねてきた勉強と時間がむだにならずに目標達成ができて、本当に良かったと思いました。
新卒で入った会社を辞めた時は、心身が疲れ切っており、次の夢も目標も見えていませんでしたが、自分のペースを取り戻し自分のことを見つめ直したことで私は新しい「次につながる」夢を持てました。
もちろん、夢や目標はそのすべてがかなえられるわけではありませんが、そういった時には、自分の呼吸を取り戻すと、本当に自分が頑張りたい目標が見えてくるのではないかと思います。
私の場合、転職について考える余裕ができたときに「次、どうしよう」という不安から苦し紛れで目指した資格取得の夢でしたが、それでも目標に向かって具体的に計画を立て、コツコツ積み上げをしたことで資格取得の夢をかなえられました。
そして今も、この資格を生かして人事労務の仕事に就けることになり、今もその仕事を続けています。