ここではたくさんの方の寄付についての経験をお伺いしてご紹介しています。
今回は、テレビなどのメディアを通じて見た世界ではなく、実際に世界中を旅してきたという方が見た世界の現実と、それによって起こした行動について話してくださいました。
ストリートチルドレンを前に、何もできなかった自分
20代前半のころ、バックパッカーとして世界中を旅をしていました。
おいしいものを食べたり、世界の絶景を見たり、とても楽しい旅でした。
しかし、その旅の中で悲しい出来事もありました。
それはストリートチルドレンとの出会いです。
世界中の街角で私はストリートチルドレンと出会い、その度に物乞いされました。
「この子たちは学校にも行けず、生きるために物乞いをしているんだ。」と考えるととても悲しい思いをしました。
しかし私は何もできませんでした。
彼らを無視することしかできなかったのです。
何もできなかった自分を変える
その後、日本に帰国して私は障害のある子どもを支援する仕事に就きました。
その仕事をする中で世界中の恵まれない子どもたちに寄付できることを知りました。
正直に言って児童支援という仕事は決して給料の良い仕事ではありません。
ですから、その給料の中から寄付するのには勇気がいります。
でも、世界中の子どもたちを無視することしかできなかったあの日の自分のままではいられないと思い、寄付することにしました。
少し優しくなれた
寄付をすると定期的に会報が届きます。
この会報を見ると私の寄付がどのように使われているのかを知ることができます。
ストリートチルドレンの支援はもちろん、小児ワクチン接種の支援や難民の食糧支援に使われていることも知りました。
私の思った以上に、私の寄付によって救われている人は多いのだと感じました。
私は寄付を通して自分が世界とつながっている実感を得ました。
そして、少し世界に対して優しくなれたと感じています。
かつての私は以前ストリートチルドレンを無視することしかできませんでした。
彼らが困っていることはわかっていたのに、自分のお金やものを渡したくないがために無視していたのです。
それが今では彼らのために行動をとることができています。
偽善という人もいるかもしれません。
それでも、何もしないでいるのではなく、行動をとれるようになった自分自身は明らかに以前と比べて優しくなれたと思っています。
まだまだ世界には恵まれない子どもが多いと思います。
恵まれない子どもたちが全くいなくなることはないのかもしれません。
それでも、少しづつ優しさの輪を広げていけば、きっと今より良い世界になって恵まれない子どもの数は減っていくと思います。
私はその世界を目指すためにもこれからも寄付を続けていこうと思っています。
日本では見かけない光景
いかがでしたでしょうか。
日本で暮らしていると、ストリートチルドレンのいる光景はまず見ることがありません。
しかしこの方は実際にご自身の目で見て、物乞いを体験されたということで、ことさらに感じるものが大きかったのではないかと思います。
あなたはどう感じましたか?