中学生の時に、バスケットボールにのめりこんでいた私は、朝から晩まで練習に励んでいました。
なぜそこまでのめりこんでいたのかというと、地方大会で一勝もできない弱小チームだったからです。
「何とかして、公式大会で一勝を。」これが私の目標でした。
士気のないメンバーたち
私の目標とはうらはらに、チームの士気は高くなく、1年生、2年生と学年が上がっても、一勝すら勝ち取ることができず、悔しい思いをし続けてきました。
私は3年生になり、キャプテンとしてチームを率いることで、この1年間で確実に目標を達成しようと、チームメイトを引っ張ることに決意しました。
しかし、私の意気込みとは違い、チーム全体のムードは「楽しくバスケットがしたい。」という空気です。
走り込みやディフェンスを中心とした練習プログラムを組んでいた私に、チームメイトからは「シュート練習にしようよ」「試合がしたいよ」などと批判や不満の声が多くなりはじめていました。
僕たちの強みを生かした戦略をしたかった私は、とても残念で不甲斐ないと同時に、失望し、腹立たしい思いを抱えていました。
新しいコーチ
やがてある時、コーチがかわってバスケット経験が豊富なコーチがやってきました。
コーチは数日間の練習を見ると、このチームの弱点を分析して、私だけを読んで話をしてくれました。
コーチ:いいか、このチームは平均的な身長が低い。しかし、体力があり走れるプレイヤーが多いことがメリットだ。だから足を使ったスタイルに変更するべきだ。
私:私もそう思います。けど、チームみんなを説得することに失敗しました。私にはできません。
コーチ:それは失敗じゃないよ。成功の種だ。
君に、ひとつ良い言葉を教えよう。トーマス・エジソンの名言だ。
”私は失敗したことがない。ただ、一万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ。”
一番の失敗は、諦めることだよ。
説得を諦める、一勝の目標を諦めることこそが、本当の失敗なんだよ。
うまく行く方法の模索
コーチの熱い応援メッセージにより、私は再起しました。
今までは言葉だけでチームメイトを説得しようとしていましたが、「走るチームのビデオを見せる」「実例を本で見せる」など、たくさんのアプローチで、足を使った戦術が如何に素晴らしいかをチームに説得し続けました。
走る練習は、辛くつまらない。しかし、人一倍走るチームは勝てる。
これはバスケットボールの基本です。
時にはコーチからの助言を借りたりして、ようやく一人、また一人と、私の練習に賛同してくれる人が現れてきました。
そんな練習の甲斐があってか、地方大会では異例の2勝を挙げる素晴らしい成績を残すことに成功しました。
失敗を失敗と認めない。一つの失敗は、ただの新しい発見である。
そんな言葉をコーチに教えて頂きました。素晴らしい名言です。