昔はどの街にも商店街があり活気がありました。夕方になると家族で商店街で買い物をすることが子供の頃の楽しみでもありました。
そんな思い出の深い街の商店街でなくなりかけていたお店を、地元のみんなの応援によりのちにつなげることができたお話です。
時代の流れによる街の変貌
時代の流れとともに、大きなショッピングセンターや大手量販店が近くに作られると、かつての商店街の賑わいは身をひそめ、客足はどんどん減り、商店街に店を構えていたお店が日に日になくなっていきました。
そのような中で私の大好きなパン屋さんもなくなってしまうという噂を聞いて、ショックを受けた私は、仕事を休んでそのお店に伺う事にしました。
後継者問題
ご主人に今の状況をお聞きすると、売上の方は以前からずっと落ちていたものの、生活できれば良いと思ってずっと続けていたそうですが、高齢になり、跡継ぎもいないということから、もうお店を閉めようと思っているということでした。
この店は、私だけではなく私の友人や周辺の人たちも大好きなパン屋さんなので、どうにか応援をしていきたいと思い、SNS で今の状況と今後についての意見を呼びかけました。
すると多くの応援メールが届き、そしてパン屋さんのために何かできないかという意見が多く寄せられました。
これだけ多くの方がこのパン屋さんを覚えていて、まだ応援してくれている事実を知ると、ますますこれは何とかしなければ!という気持ちになりました。
どうにか続けられないかと考えた結果、パン屋さんの後継人を探そう!ということになりました。
ご主人は腰痛がひどく、これ以上は続けられないということでしたが、味を教えることはできるということなので、後継人を探すのがベストな方法だと思いました。
引き継がれる店の味
パン屋さんを応援したいというメンバーが集まり、SNS やパン屋の技術者など多くの方に声をかけたところ、多くの方が協力したいと名乗り出てくれました。
私たちはこのパン屋さんの味をずっと引き継いでもらうための条件を決めて、最終的に継いでもらう人を決定しました。
体の小さくなったパン屋の主人も、このことがきっかけで笑顔が戻り、今でははつらつとしています。
その姿を見るだけで私たちは非常に嬉しい気持ちが沸きあがると同時に、子供の頃の記憶が呼び起こされます。
応援は、世の中の流れにも負けず、大切なものをつないでいくことができる素晴らしいものだと実感しました。
そしてその応援を他の方々が見て、応援の輪がつながり、大きな力となっていくということも学ぶことができました。