
腰が悪いおばあちゃんが、手術を受けた時のお話です。
手術を決意するまで
私のおばあちゃんは、何年も前から腰が悪く、苦しんでいました。
とはいえ、日常生活のことはほとんど自分ひとりで出来ていたこともあり、手術を受けること自体、本人は躊躇していました。
しかし年をとるにつれて、歩く度に痛みが増し、通っていたデイサービスにも、徐々に行かないようになりました。
そこで家族で話し合い、このまま痛みを感じながら生活していくのは難しいだろうとのことで、説得を繰り返し、手術を決意しました。
ただ、おばあちゃんは80代。
年齢も年齢なので、手術を受けたとしても、回復に時間がかかるだろうと言われていました。
難航する術後の経過
手術を受けた直後は痛みで全く動けず、リハビリ開始までに3か月ほどかかってしまいました。
その3か月の間、おばあちゃんはひどく落ち込み、会話もあまりしていませんでした。
排泄関係も一人で出来ず、さらに気持ちは落ち込む一方でした。
そんなおばあちゃんを見るにつけ、果たして手術を受けさせたことが正解だったのか、家族も皆分からない日々を過ごしました。
私自身、そんなおばあちゃんを応援したい気持ちはありましたが、どのように声をかけていいのか分かりませんでした。
応援していることを伝えたところで、それが本人に余計なプレッシャーを感じさせてしまうのではないか、という心配もよぎってしまったのです。
リハビリ開始
そして時間が経ち、無事痛みが取れました。
残念ながら少し麻痺が残ってしまいましたが、痛みが取れて動けるようになったことで、本人もようやく気持ちが前向きになり、簡単なリハビリから少しずつ開始していくことができました。
それに伴って、会話も少しずつできるようになりました。
リハビリは簡単にはいきませんが、少しずつできることも増え、
新たなリハビリ内容が増えても、家族や病院スタッフさんの応援と支えにより、少しずつ前向きになっていったように見えました。
作業訓練から始まり、やがて歩行訓練も始まりましたが、
最初はやはり思うように動かない足に、再びまた落ち込んでいました。
それでも「少しずつでいいんですよ」「術後から完璧に歩ける人はいないですよ」とスタッフの方から声をかけていただけたこともあり、
毎日少しずつですが、笑顔で訓練を頑張ることができており、私も傍で応援する日々でした。
麻痺が残ってしまったので、雨の日は「歩きにくい」と言うこともありますが、そんな日は看護師さんが空気をよんでくださったり、足のマッサージをしてくれたりしていました。
リしかし、ハビリによってだんだんできることが増えてきたとはいえ、
以前の生活のように自分の力だけで日常生活を送れなくなってしまったことに、まだ落ち込んでしまうことが時々あるようです。
今でも手術が本人にとって良かったのか自問自答の日々ですが、
色んな人たちの応援によって、リハビリを続けられ、
「今日は○○をしたよ」と笑顔で教えてくれるおばあちゃんに、目頭が熱くなる思いです。
頑張って少しでも快適に暮らせるように。
そして、毎日楽しく過ごして欲しい。
家族みんなの心からの願いです。
お互いの応援が力になる
私たち家族からすると、おばあちゃんのために、と考えてのことでしたが
おばあちゃんからすると、私たち家族のために頑張ってくれている部分もあるのかもしれません。
家族の支えあう力、応援しあう力ほど強いものはないと思います。
もう少ししたら退院できそうなおばあちゃん。
退院したら家族で協力し合いながら、大切に家族の時間を過ごしていこうと思っています。