
皆さんは寄付金集めを行ったことがありますか?
ここでは寄付金集めを行ったことがある方に、その体験談をお話しいただいています。
今回ご紹介するのは、病気の子を持つ人のための寄付金集めを行った方のお話。
団体への寄付などではなく、直接的に助けたい人への寄付を募ったエピソードです。
過去に味わったはがゆい経験
私が高校3年生の時に同じクラスの男の子が、「血液のがん」と言われる白血病にかかりました。
当時高校生だった自分は、クラスでお見舞いに行ったり、千羽鶴を折ったりすることぐらいしかできませんでした。
結局、その後はドナーが韓国でみつかり、無事移植ができ、病気は治ったようでしたが、移植後の拒絶反応のためか、彼は入退院を繰り返していました。
クラスではイケメンだった彼も痩せて別人のようになってしまっていました。
クラスメイトとして何もできず、クラス全員歯がゆさを感じていたと思います。
こんな歯がゆさを感じながら高校を卒業して、彼がその後どうなったかなど知らずに過ごしていました。
病気に苦しむ家族との出会い
あれから10年ほど経ち、とある家族と知り合う機会がありました。
きっかけは音楽でした。
あるボサノバを歌うブラジル人と日本人夫婦と知り合った私は、ライブに足を運んでは癒されていました。
しかしその夫婦の一人息子が小児がんにかかってしまったのです。
その結果、ずっと病院で過ごすことになり、なかなか音楽活動も仕事もできない状態になってしまいました。
私は彼らの音楽にいつも元気をもらっていたので、彼らのためにできることがないかを考え、彼らの友人たちと話し合い、寄付金を募ることにしました。
高校生の頃に何もできなかった歯がゆさを思い出し、大人になった今、できることはしようと思ったのです。
問題点の洗い出しと募金活動
まず、小児がんの家族や患児を助ける活動をしている認定NPO法人に相談をしました。
小児がんにかかって大変なことは、治るか、治らないかわからない中で不安に過ごすこと、家族の経済面、子供の学習面、将来など様々な問題点があることがわかりました。
その中で彼らにはどんな助けが必要かを話し合いました。
もちろん金銭面での助けも必要だと考え、私たちは彼らのファンたちとグループを作り、寄付金集めを始めました。
街頭で歌を歌って子どものために寄付金を募るときもありました。
また、彼らが歌う家族のきずなを歌った曲のCDを売ったり、流したりして彼らの音楽活動の場の宣伝もしていました。
彼らの音楽活動を宣伝しているだけで、CDを売りたいだけなのでは?などと言われたこともありました。
しかしその反面、彼らの歌に癒された、元気をもらった、勇気づけられたという声も多くありました。
その後は…?
寄付金を集める活動は半年間続けました。
寄付金のおかげで彼らは気持ちに余裕をもって子どもと寄り添うことができた、と話してくれました。
彼らの子どもは無事退院することが出来ましたが、今後も病院に通って検査などしなければならないそうです。
それでも、学校に通い、友達もできた、運動会に参加した、などと、いつも子どもの様子を感謝と共に送ってくれます。
その写真を見るたびに行動をおこしてよかった、と思います。
そして彼らは今、小児がんで病気とたたかう子どもたちのために、病院で歌ったり、イベントを開催したりといった活動をしています。
応援する側も応援される側も彼らの歌声に勇気をもらっています。