
皆さんは寄付をしたことがありますか?
駅前の呼びかけ、レジ横の募金箱、インターネットでの寄付など、さまざまな寄付の形があります。
今回お話を伺ったのは、東日本大震災で寄付をされたという方。
当時、同じように、寄付を行った方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、ご自身の実家が被災地となったことで寄付への意識が変わったという方のエピソードです。
東日本大震災
私の出身は福島県です。
2011年3月11日。
テレビのニュースを見て、よく知っている街が津波に飲み込まれ変わり果ててしまった様子に衝撃を受けました。
地震や津波が収まってからも、福島県では原子力発電所の事故が続いていきました。
私はすでに成人して実家を出ていましたが、両親は福島に住んでいました。
被災地からは少し離れた場所ではありますが、原子力発電所が爆発するようなことになれば、放射性物質を大量に浴びてしまうことも考えられます。
テレビのニュースを見ながら、どうか爆発することがないようにと祈っていました。
そのうちに放射性物質が周辺に漏洩し、メルトダウンを心配するニュースが流れます。
〇〇シーベルトという放射線の数値が上がると絶望的な気持ちになりました。
両親を自宅に呼び寄せようとも思いましたが、さまざまな事情から、本人達も自宅を離れたくないといいます。
もどかしい気持ちが募るばかりでした。
遠く離れた場所にいる自分にできること
私はそれまで数百円といった募金をすることはありましたが、それ以上の寄付をしたことはありませんでした。
慈善活動にあまり関心が高くなかったこともありますが、寄付に対して偽善的でネガティブなイメージも少し持っていたように思います。
しかし、自分の故郷が被災地となったことで、この時は自然に寄付をしたいと思えました。
私はすでに実家を離れて何年も経っており、震災の当事者ではありません。
遠く離れた安全なところにいて、直接助けに行ったり支え合ったりすることもできないのです。
そんな自分にできることは、お金を寄付することくらいだと思いました。
その後、福島原子力発電所の状況も少しずつ落ち着いていきました。
また、震災の被害が明らかになるにつれ、日本各地から沢山の寄付が集まったという話を耳にしました。
日本だけではなく、世界各地から支援が寄せられました。
そういったニュースを耳にすると、私は当事者ではないのにまるで自分が助けられているような温かい気持ちになったのです。
寄付を通じて感じるあたたかさ
いかがでしたか?
この方は、震災が起こるまで、寄付にあまり良いイメージを持っていなかったそうですが、身内の方が被災されたことで、そのあたたかさを感じることが出来たようです。
寄付というと、物質的、金銭的な助けばかりに目がいきがちですが、気持ちも一緒に伝わっているのですね。