私にとって、人生に大きく影響した名言は、主治医や施設の職員さんから教えてもらったこんな名言でした。
古代人、詩人であるホーマーが伝えた「団結は力である」という言葉、そして「ダイヤがダイヤを切る」という西洋のことわざです。
現実と夢・ボランティアとの出会い
私が福祉の夢を感じ始めたのは、高校生の頃に発覚した病により入院をした時の体験からです。
10万人に1人の確率の病でしたので、驚きはありましたが、病を抱えている人の見え方や捉え方が変わり、福祉の仕事をしたいと感じ始めたのです。
しかし、夢と現実は違うもので、したいと思う仕事には付けずに、私は一旦、製造業という道を選んでしまいました。
その後、25歳になったころ、少し体の衰えを感じ始め、一時製造業を離れようと、休職しました。
その休職期間中に、ボランティアに参加する機会がありました。
ボランティアは定期的に開催され、施設にいる方達と一緒に作業をしました。
そんな活動をしていた時、その事業所の方から、働いてみてはどうかな?というお誘いがあったのです。
ちょうど休職期間ということもあり、私はもともとの夢であった福祉の仕事を選択できる事になりました。
赤い羽根の自動販売機
施設で働くようになった中で、冒頭の先生から教えてもらったホーマーの言葉「団結は力である」という言葉を実感したのは、赤い羽根募金の自動販売機でした。
飲み物を購入すると、その売上の一部が赤い羽根共同募金に寄付されるしくみになっています。
皆で少しずつ積み重ねた小さな力が、大きな福祉の力となる。
福祉事業所に設置されたこの自動販売機は、まさに福祉を形にかえていると感じました。
奇跡の存在ダイヤ
この頃、職員さんに教えて頂いた言葉が西洋のことわざでもある「ダイヤがダイヤを切る」という言葉です。
最も硬いダイヤモンド同士が切り合ったら、どちらも傷はつかない、また機知、策略、など切磋琢磨してお互いに譲らずの好取組の展開になっている状態なのです。
福祉の施設では、お互いの事業者同士の考え方が、一つのダイヤの原石となり福祉の力になっています。
作業所に通っている方達の可能性は、ダイヤのように磨けば磨くだけ切れ味のいい物事を教えてくれるのではないかと感じました。
そんな名言を胸に働いていると、もの凄い光景を見ることもあります。
とてもそんな状況ではないと思われた人が、自らリハビリを始めて、数日後には歩けたり話せたりできるようになっているなど、通常では考えられなかったことが起こるのです。
ダイヤの様にキラキラして見えました。
障害があっても皆、今を見つめ明日に希望を込めて、この事業所で生活をしているのだと感じました。