私は長年、絵本の翻訳をするのが夢でした。
そのために外国語の勉強をしたり、仕事を通じて日本語をさらにブラッシュアップしてきましたが、
やる気ばかりで先に進んでいる実感があまりありませんでした。
それでも自分の進んでいる道は間違っていないと信じ、日々、できることを続けていました。
そんな折、世界中で新型コロナが猛威を振るい、私の仕事は激減しました。
幸い給付金が支給され、当面の生計はなんとかなりそうでしたが、この先、仕事がどうなって行くのか不安がありました。
小さな来訪者
そんな時、家にツバメが巣を作り始めました。
毎年ツバメは物件探しで我が家にやってきていたのですが、本格的に巣を作ったのはこの年が初めてでした。
ちょうど仕事が激減し始めた頃だったので、毎日ツバメの様子を見ることができました。
まずは親ツバメが巣作りをしながら寝泊まりをしていたので、毎日フン掃除をすることになりました。
近くにカラスの巣があるので、まずはカラス対策のために、ロープを張ったりしました。
さらに、1時間おきに営巣の様子を見に行きました。
親ツバメは交代で、ひっきりなしにヒナたちに餌を与えていました。
私も彼らの様子を見守るうちに、すっかりツバメたちに魅了されていきました。
そしてとうとう4羽のヒナが無事巣立っていきました。
安堵した気持ちと、お別れの寂しさが同時にあり、今までにない感情で溢れていました。
私はツバメたちを見守りながら、この経験は間違いなく私の人生を大きく方向転換させる出来事だと確信しました。
夢のバージョンアップ
そしてあれから2年以上が経った今、私の夢は、絵本を通じて野鳥たちの愛らしさを世界に発信していくことへと変わって行きました。
コロナの影響で、一時期は自分の仕事が激減し、先が見えずに挫折しかけていましたが、ツバメたちのおかげで、自分の夢がパワーアップしたように感じています。
そして、仕事も新たな展開が始まり、昨年あたりからようやく軌道に乗り始めました。
また、そうしているうちに、やがて自然環境や宇宙に関して、大きな関心を抱くようになりました。
それまでは自分の夢を通じて世界平和を願ってきましたが、今では人間社会だけではなく、地球に存在しているすべての生き物たちに目が行くようになりました。
これからはツバメや野鳥たちに教わったことを、絵本やその翻訳を通じて世界に発信をし、よりよい地球環境を願い、目指していきたいと思っています。