私は小さな頃から、不思議なものや現象などの、いわゆる「オカルト」に興味があり、将来はオカルトと向き合える大人になりたいと考えていました。
小さな頃のこの漠然とした夢が目標となり、さまざまな方向転換をしながらも大好きなものに関われるようになるまでのお話です。
無難な進路への違和感
小さな頃抱いていた「魔女になりたい」という夢は、成長していくにつれ、魔女などを紹介している「メディア」に携わりたいという夢に変わりました。
大学では、民俗学を専攻し、周りの助けを借りながら知識を身につけました。
その他にも、オカルトについてのコンテンツを欠かさずチェックし、いつか私も就職して、雑誌や番組を作る一員になるんだ!とやる気を高めていました。
そしていざ迎えた就活に、私はこれまでの積み重ねを活かし、気合を入れて臨みました。
しかし、一次面接、二次面接と進んでいくうちに生まれてきたのは、喜びではなく違和感でした。
確かに私は、雑誌やテレビで扱われているオカルトが大好きで、それに対するワクワクした気持ちは今も持っています。
しかし就職を前に思い出したのは、自分の持っていた「魔女になりたい」という夢で、「小さな頃の自分のような子ども達にたくさんの深い知識や広い世界を知ってほしい」と思い始めました。
そして大学で学んだ一つのものに向き合う姿勢を生かし、オカルトに興味を持つ未来の子どもたちのために何か記録を残せないかと考えるようになりました。
就職をやめるか否か
そこで浮かんだのは「旅」という選択でした。
雑誌やテレビ番組なども子どもたちのワクワクのきっかけになる貴重な資料ではあるのですが、その先の深い知識について、自分の目で見たものの記録を残したいと考えたのです。
しかしだからといって就職をやめるという決断は、当時の私には重いもので、葛藤がありました。
どっちつかずの私の背中を押してくれたのは、私の夢をよく知る先生や友人、そして両親でした。
「好きなものに向き合いたい、その気持ちが一番なら、職業や会社にはこだわらなくでいいんじゃない?」という言葉で、自分の願望の核が見えました。
メディアでは知りえない現地の情報に触れられた
どうしたら自分の好きなものに関われるのか、さまざまな選択が出てきて遠回りしましたが、旅先では、それまでネットや本では見られなかった文化や伝承がありました。
実際に現地で過ごすと、不思議な話が溢れていたり、魔法や術を使う人がいたりと、「知らない世界」が日常となっていきました。
その記録をすることで彼らの文化を守り、子どもたちに残していくという生き方は、悩み続けた「好きなことへの向き合い方」への答えの一つだと感じます。
これからも、自分の核をしっかり持って進んでいけたらと思います。