
何年か前に引っ越してから、充実した家庭菜園を作り上げることが1つの夢でした。
庭のあいたスペースに少しずつ畑の整備を進めて、引越しから2年目には野菜栽培を始めていました。
これは私がその家庭菜園を作り上げていくための試行錯誤のエピソードです。
作りたい野菜を手当たり次第に挑戦
野菜については完全に素人だったこともあって、最初はまったく上手く行きませんでした。
ほうれん草、ねぎ、大根など、自分が食べたい野菜の種を買ってきては、色々試してみたのですが、芽は出るものの、小さい状態からまったく大きくなってくれないのです。
土は良いものを取り寄せて、肥料も入れているというのに。
最大の原因は庭の日当たりが少ないことでした。
しかし野菜を作り出した当初はそういった知識も少なく、太陽光を多く必要とする陽性野菜の種ばかりを買い求めてしまっていたのでした。
これでは収穫に繋がらなくて当然です。
場所に合った野菜に切り替え
ようやく栽培についての様々な知識を得て、お気に入りの陽性野菜を諦め、陰性野菜の栽培のほうに方向転換を始めたのが数年前からのことです。
まず試してみた野菜はフキで、これは近所の道端に自生していたものでした。
フキは庭に植えてみると、完全に日陰になっているところのほうが、育ちが良いことが分かりました。
葉っぱが大きいのに、意外でした。
そうした経験から、種からの栽培だけにこだわることなく、野菜の苗を購入してみても良いと考え始めました。
インターネット通販では色んな種類を販売していたのですが、陰性野菜の苗だけ取り寄せることにしました。
当初に購入したのはみょうがの苗、しその苗でしたが、1株あたりがとても安い料金なので驚きました。
最初は育つのかと心配でしたが、購入した苗を植えてみると日当たりがほぼない場所でも、どんどん大きくなるので驚きました。
土の状態が悪いと思っていた場所でも、みょうがの生育はとてもよくて、これまたびっくりです。
また陰性であるニラは種からの栽培をしたのですが、これも日当たりはなくても大きくなりました。
こうした日陰の野菜は、サラダには向いていないものの、麺類の薬味や炒めものにはとても向いていて、毎日の食事が豊かになりました。
最近では庭の研究を進め、もっと日当たりの良い場所を見定めて、陽性の小松菜やねぎなどの試験栽培もしています。
夢に対する考え方が変わった!
この野菜栽培の軌道修正で気付かされたのは、自分が叶えたい夢は、完全に貫くことを考えるだけでなく、十分に可能な範囲を見定めて叶えていくことの大切さです。
立派な大根が無理だとしても、みょうがで成功すれば良い、といった具合です。
力任せに強引に進めるよりも、環境や合うものを見つけていくやり方の方が効率が良いと思いました。
今後の人生の中でも、このやり方を活かしていけそうな気がしています。