コロナになってから人付き合いの距離が遠くなった。そう感じることがあります。
今まで近くにいた人と、気楽に会えない。
マスク越しの会話に、微妙な距離感を感じることもあります。
かくいう私も、孤独をかんじる一人。
コロナ禍になってから、実家の父や母と、会う回数がめっきり少なくなりました。
そんなコロナ禍で、父母を元気づける魔法のツールを見つけたお話です。
コロナ禍で会える頻度が激減
コロナ禍以前は一カ月に一回、いやそれ以上、子どもを連れて泊まりに実家に行っていたのですが、今では一年に一回、行けるか行けないかが当たり前の生活になってしまいました。
というのも、父と母は持病があるため、ワクチンが打てない身なのです。
そのため私も「何かあったら、迷惑をかけてしまう」と遠慮してしまうのです。
手紙から、遠くの父母を応援
一方でコロナ禍のこのような社会になったことで、逆に良かったと思えることもありました。
会えないことを逆手にとって、こんなときこそ、と手書きの手紙を書くことにしました。
暑い夏の日は、朝顔や金魚の絵ハガキ。
そして紅葉の季節には、もみじの絵ハガキ。
春がきたら、満開の桜のお便り。
季節を感じられる文は、SNSとはちがう「素朴な愛情」がにじみ出ているような気がします。
つい先日も、SNSの代わりに父と母に手紙を書きました。
「お父さん、お母さん、お久しぶり。こちらは朝から小鳥が鳴いて、ピーチクパーチクとても賑やか。もうすぐ夏がやって来るから、熱中症にお互いに気を付けないとね」
選んだのは、飛び出すタイプの手紙でした。
文を読むときにこぼれるばかりの朝顔が、バーン!と浮き上がってきます。
気温が高くなってきて、夏バテが気になる季節だけれど、この応援レターを読んで少しは元気になってくれたらいいな…。
これまでは行くことのなかった大きめの郵便局に行って、季節が感じられる切手を購入しました。
窓口で手紙を出すときに、局員さんに聞かれました。
「速達にします?それとも普通郵便でいいですか?」
いくらか足せば、速達扱いになって明日には父母のもとに着くそうです。
「いえ、それほど急ぎではないので、普通郵便で大丈夫です」
迷いましたが、のんびり届く普通郵便を選択しました。
ポンとボタンを押せば、24時間いつでもどこでも繋がってしまうSNSが普及している便利な世界で、自分の送った応援手紙が2、3日かけて、相手のもとに届くのもいいな…
そんな風に思いました。
応援レターを出してから3日後。
「かわいい手紙が届いたよ。どうもありがとう」母から連絡がありました。
手紙と同じように、庭に小さな朝顔の花が咲き始めたそうです。
私の書いた小さな手紙も、父や母の活力になっていたらいいな。
遠くに住む娘から、父や母に応援の気持ちが届いているか分かりませんが、少しだけ心がぽっと温かくなった気がしました。
「色々あるけれど、今日もがんばらなくっちゃ」そう思った、初夏のひとときでした。